【ゐ】一見矛盾するもの
一見矛盾する言葉が面白い。
これには文脈なんかは関係なく、ただそれだけで面白い。
例えば、最近聞いた歌の歌詞で言うと、「選ばれた有象無象」というのがあった。
「有象無象」というのは、種々雑多なくだらないもののことである。
対して「選ばれた」というのは、特選、なんて言われるように、種々雑多の中から選択されたものを意味する。
このふたつは一見矛盾するが、具体的な事例を思い浮かべれば、成立しなくもないことがわかる。
例えば、日本人の有象無象がいるとする。これを、色々な国籍の人がいる中から日本人を選んだのだと解釈すれば、「選ばれた有象無象」と呼べなくもないのだ。
本当はそんなに深い意味なんかないのかもしれない。でも、一見矛盾するというだけで深く考えさせられてしまう。読み手が目を止めてしまった時点で創り手の勝ちだ。
合理化の世の中を生きているからこそ、合理化が当然だからこそ、程よい矛盾がとても面白い。
今日から僕も矛盾ハンター。