【イ】いかに少ないお金で強い球団にするか
先日『マネーボール』という映画を観た。あのブラピ様主演の実話を元にした物語である。
二枚目俳優として知られるブラピ様の本当にすごいところは、作品によってかっこよく見えたり大してかっこよくないように見えたりするところだと思う。マネーボールに関してはどちらかと言えば大してかっこよくないように見える部類の映画である。
ブラピがGMを務める地方球団からスター選手が引き抜かれるところから物語は始まる。GMとは簡単に言うとチームの人事権を持つ人である。
地方球団がせっせと育てた選手が大都市のお金持ち球団に連れ去られるというのはスポーツの世界ではよくあることで、選手自体も大きなマーケットでプレイすることを好む傾向にある。
集客が少なくグッズも売れない地方球団は基本的にお金がなく、年俸の高い強力な選手を手放さなければならない。つまり、地方球団は選手育成ファームのような貧乏くじを引き続け、優勝からは遠いところにいるのが普通になってしまっている。
そこでブラピGMはリーグから欠陥品扱いされ年俸の安い選手、つまり、まだどこの球団も価値を見出していない選手の中から出塁率を基準に新たな人材を獲得し、チームの再建を目指すことにする。
最初はデータで野球をやるなんて間違っていると言われながらも徐々にチームが噛み合って勝ち始めるのだ。
かつてのフランスの偉い人もびっくりの「パンがないなら残された材料で創作料理を作ればいいじゃない」の発想である。
新しい価値はいつも足もとに転がっているのかも知れない。