もののイロハ

雑記オブ雑記

【ナ】ナッツ感覚

著作権の切れた作品がネット上に転がっているというのをこの頃発見した。

正式にはちゃんと管理している団体があって、古い表記を今風にしてくれたり、あえて古いバージョンも載せてくれていたり。

ケータイの通信速度規制のかかっていた月末の僕は、大好きな無料漫画を読むにも読み込みのストレスが大きくて(3秒で読み終わるページの読み込みに2分かかる)これはもう年貢のおさめ時だと腹をくくっていた。

文学の素晴らしさのなんたることか! 通信速度規制の中でも一瞬で表示される、文字というもののデータ量の少なさ!

ついに僕は著作権の切れた文学作品を読み耽ることになった。

ものすごい文豪だと言われているけど読んだことのない作家の作品をナッツ感覚でいただける素晴らしさ。眠れない夜はあっという間に明けていく。

特にナッツ感覚でいくのに最適なのが芥川龍之介。彼はそのほとんどが短編なのだ。文庫にして10ページ程度の作品が多い。

読んでみて面白かったのが、彼は童話のリメイクをいくつも手がけているということ。

桃太郎なんかは途中まで一般的な桃太郎と同じなんだけど、実は犬、猿、雉は仲が悪く、心優しき鬼たちを財宝目当てでぶちのめすというニヒルっぷり。

斜めから物事を捉えてみたバージョンなのだ。

角度をつけて物事を捉えることに関してこの頃思うのは、例えば、綺麗なものを斜めから見たら(美人を下から鼻の穴に焦点をあてて見てみよう)不細工なものに、汚いものを角度をつけて見ると(何日もお風呂に入らず髪やヒゲの伸びきった人は飾り立てず本能のままに生きていて美しい)綺麗になる筈なのに、文句の多い人はモノによってはストレートに俗っぽく見ちゃうし、モノによっては角度つけて見ちゃうから、全部を悪く捉えがちという悪循環について。

斜に構えるなら全部同じ角度からブレずに見るべし。

芥川龍之介は遺書までが作品として掲載されている。

頭の良い人が、それもこれから本当に自殺を企てようという人が自殺について考察しているのは実に興味深い。

みなさんもナッツ感覚でどうぞ。